分配器・分岐器・分波器の違いや用途

分配器・分岐器・分波器の違いや用途

テレビに使う機器は非常に沢山の種類があり、また似たような形と名前で分かりにくいと感じる方は多いと思います。実際、似たような用途で使用する機器が複数あり選定に迷ってしまいます。今回はその中でも形や名前、用途が似ている、分配器・分岐器・分波器についてまとめていきます。
分配器とは、受信した信号を均等に分けるための機器で、複数ある出力端子へ同じ強さの信号を流します。 最近の一般住宅ではスター配線(直列ユニット1つに対し1系統)が基本になってきた為、分配する数も増えてきています。 その上マンションなどの集合住宅では、必要とするテレビ端子の数がさらに多いため、8分配では収まりません。そこで後述する分岐器と併用することで、より多くの直列ユニットへ信号を送ることができます。 分岐器とは、分配器同様、受信した信号を分ける機器ですが、出力端子と分岐出力端子がありそれぞれ分ける比率が違い、受信した信号の一部を分岐する機器です。 電線の距離が極端に長かったり、直列ユニットの数が多くて分配器を複数使用しなければいけない場合に使用します。集合住宅の分配器より前に使用する場合が多いです。 分波器とは、混合された信号を分けてテレビに接続する際に使います。 混合された信号とは、今回ご紹介する機器とは別に、増幅器(ブースター)混合器(ミキサー)という機器を使用し異なるテレビ信号を1本のケーブルに送られた信号のことです。この混合された信号のままだと、視聴する機器で混合された電波の内一つしか視聴することができません。 そこで分波器を使用し、信号を分けて接続することで異なる受信チャンネルを見ることが出来ます。

種類と仕様

分配器・分岐器・分波器の違いが分かったところで、次はそれぞれの機器にある種類と仕様についてご説明します。
種類: 2・3・4・5・6・8分配の種類があます。分配数が多くなればなるほど信号の損失が多くなるため、分配数が多いほど増幅器との併用が必要になってきます。 その他にも屋内用と屋外用があり、施工する条件によって選定することが出来ます。
仕様:【1端子電流通過型】と【全端子電流通過型】の2種類がありBSアンテナへ電源を供給する方法により選定が変わります。
1端子電流通過型
増幅器(ブースター)の電源部を使用する際に用います。 電源部を置く直列ユニットへ分配する端子を電流通過用の端子へ接続することで、テレビから電源を送る必要がなくなります。
全端子電流通過型
電源部を使用せずにテレビから電源を供給することで視聴が可能になります。お客様がどのテレビから電源を供給するかわからない時や電源部をどこに置くか分からない場合などに使用することで出戻り作業がなくなります。
種類:1・2・4分岐の種類があり、それぞれの数が分岐出力先の数になります。 分岐出力端子より出力端子により強い信号が流れます。そのため損失レベルも均一ではなく系統をはっきりさせて上で選定する必要があります。最近では光テレビの導入も増えてきてアンテナから光テレビへの切り替えの際に分岐器を用いるケースも増えてきています。
仕様:分配器とは違い、電流通過は出力端子にしかありません。そのため分岐出力端子側から電源部やテレビからの電源供給をすることが出来ませんのでご注意ください。 こちらは基本的に屋内用しかありません。例外としてCATV用のみ屋外用があります。
種類:分配器や分岐器のように沢山の種類があるわけではなく、分波器は入力端子が1個、出力端子が2個の非常に単純な構造をしており、出力端子側にケーブルがついているかいないかの違いだけです。
仕様:種類によっての違いは殆どありません。 そこで分波器を使用し、信号を分けて接続することで異なる受信チャンネルを見ることが出来ます。

選定の際の注意点

テレビの信号はケーブルの長さや分配する数や直列ユニットの数でアンテナから信号が損失していく特性があります。そのため、余分な分配や配線はトラブルの元となる為、的確な分配の数や系統の確立が必要になってきます。 また新たに購入する際は考える必要はありませんが、既存のお宅では地デジ対応と対応をしていない商品を使用しているお宅もあるので改修などで見かけた際は更新をお勧めすると引き渡し後のトラブルが少なくなります。実際筆者も昔の機器を流用して引き渡した所、後日テレビが見えなくなったとクレームを頂いたことがあり散々調べた結果、全て地デジ対応に更新した記憶があります。 また最近は4K8Kという新たな規格も出てきたので選定には十分注意して選定しましょう。

最後に

同じような名前の機器でもそれぞれ異なった特性を持つまったく別の商品であったことがお分り頂けたと思います。非常に沢山あるテレビ機器ですが特性を理解したら様々なケースに対応出来るので、是非覚えて頂けたらと思います。
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